業務外メモ@edy_choco_edy

IT企業で働くアニメ/ゲームプロデューサーの業務外メモ。書籍、インディーズゲーム、業界情勢について書いています。

【予告】DeNA&GREEの世界展開まとめ/海外ソーシャルゲーム施策記事、書いてます

どうも、ご無沙汰してます。@edy_choco_edyです。
今回は記事予告でして、近いうち、ふたつほど記事をアップロードする予定です。


1.DeNA&GREEの世界展開まとめ

上のような表をメインに、2社の世界進出の現状をまとめます。
例によって参照用リンクもたくさん用意するので、レポートや資料作りに最適です(笑)


こちらはいつもお世話になっているTechwaveに寄稿させて頂く予定です。
興味のある方、お楽しみに。



2.海外ソーシャルゲーム施策の分析


主に米国で人気のソーシャルゲームを取り上げて、海外におけるソーシャルゲームの施策について分析した記事になる予定です。特に、日本では定番となった「ガチャ」や「イベント」などの施策が、海外でも徐々に取り入れられている、という点について触れたいと思っています。


最近、iOSアプリのセールスランキングの推移を見ていると上位はほとんどソーシャルゲームです。いろいろと計算してみると、上位アプリだとARPU・ARPPUともにかなり高い水準に到達しているようです。このようなARPU・ARPPUの押し上げにはどんな要因があるのか。マーケティングというよりかは、ゲームサイクルや施策の視点から分析したいです。


記事投稿はもうちょっと先になりそうですが、ぜひゲーム関係の方に読んで頂きたいです。
こちらも寄稿を予定していまして、ゲーム関係の方に読んで頂けるメディアに掲載して頂けそうです。


さて、あとは、しっかり記事を書くばかり、頑張ります!
記事アップロードの際はよろしくお願いいたします。


@edy_choco_edy


(追記)
最近、就活生向けサイト carippo.com にて主に就活生の記事を投稿させて貰っています。
慣れないことで、回りくどく説教臭いところもあると思いますが、興味のある方は一読頂ければ、と思います。

http://carippo.com/carrier/tanakashota/

こちらもよろしくお願いします。

【SNS/海外戦略】GREE Open Feint買収についてまとめてみた

どうも、@edy_choco_edy です。今日もweb業界、というよりソーシャルゲームプラットフォーム業界(?)で大きな動きがありました。


GREEによるOpenfeintの買収です。


グリー、全世界で7,500万ユーザーが利用するOpenFeint社を完全子会社化
〜 世界最大級のスマートフォン向けソーシャルプラットフォームに 〜
http://www.gree.co.jp/news/press/2011/0422_02.html


グリー、世界最大級のスマートフォン向けソーシャルプラットフォーム「OpenFeint」を85億円で買収
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110422-00000003-isd-game&utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter


朝方の発表で、通勤中もtwitterのタイムラインが大盛り上がりでした。
この買収については今後どのような展開が予想できるのか、過去のニュースと合わせ、自学のためにまとめてみたいと思います。


1.Openfeintって何?

まず、Openfeintについて。
GREEのプレスリリース資料で「スマートフォン向けゲームにコミュニティ機能を追加できるソーシャルゲームプラットフォーム」と紹介されている「Openfeint」。


まず運営元は米国カリフォルニア州のOpenfeint社。
http://www.openfeint.com/


もともと「Aurora Feint」社の「Openfeint」というサービスでしたが(DeNA-mobageと同じ関係)、サービスの拡大に伴い、社名を変更したようです。

iPhoneアプリでよくゲームアプリを落とす人は、グリーン地に白い双葉をあしらった丸いマークが、アプリの右下などに表示されているのと見たこともあるのではないでしょうか?


Openfeintは「GREE」や「Facebook」といったSNS自体というよりも「開発者がアプリにソーシャルな要素を加えるための追加機能のセット」と考える方が理解しやすいかもしれません。


もともと独立したゲームアプリに、Openfeint機能を「組み込む」ことで、そのゲームアプリのスコアを他のユーザーと競ったり、海外ゲームによくある「実績」を比べたりすることが出来る、というイメージです。



例えば架空のパズルアプリ「つみワンコ」というものがあるとします。可愛い子犬を、何匹積み上げることが出来るか、というゲームだとすればここにOpenfeintを組み込むことで


・他に誰がプレイしているか=フレンド機能
・何匹まで積み上げたか=スコア
・特別な犬をX匹積み上げた!、特別なペアを5セット揃えた!=実績
・どうすれば100匹の壁超えられるか相談する=Forum(掲示板)
・友達に「いま200匹いった!」と自慢する=メッセージ


といった「ソーシャルゲーム」的な要素を追加することが出来ます。


iPhoneアプリに搭載されている「OpenFeint」機能とは
http://mikan8929.blog6.fc2.com/blog-entry-23.html
※こちら、実際の画面イメージが分かりやすく解説されています。


OpenFeint: 世界と繋がるソーシャルゲームネットワークが熱いぞ!使い方の解説&マニュアル
http://www.appbank.net/2010/01/21/iphone-application/86580.php
※開発者視点からの詳細な説明。その魅力が分かりやすいです。


ソーシャルアプリの作り方 第三回 - OpenFeint
http://lab.klab.org/young/2010/03/%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AA%E3%81%AE%E4%BD%9C%E3%82%8A%E6%96%B9-%E7%AC%AC%E4%B8%89%E5%9B%9E-openfeint/
※株式会社Klabの若手エンジニアブログ。Openfeintの実装方法について。


2.なぜプラットフォームなの?

Openfeintを組み込んだアプリはおよそ5000あると発表されています。この5000のアプリをダウンロードしたプレイヤーは、Openfeintを利用することを勧められます。その方が「他のユーザーと競えて面白いよ!」と言われる訳です。

ここで登録すれば、他のOpenfeint対応アプリでも同じアカウントでプレイできるため

Aアプリに「edy.choco.edy」で登録⇒Openfeint対応のB、Cアプリでも「edy.choco.edy」でスコアを競える

ということになります。

これは「mixi」に登録すればどのmixiアプリでも同じアカウントと遊べるのと近いイメージです。

mixi」に「エディ」で登録⇒サンシャイン牧場もマイミク通信簿も遊べる。

ただ、Openfeintはあくまでソーシャル要素を「追加」するパッケージのようなもので、Openfeintそれ自体からゲームをダウンロードする、仮想通貨を共有する、といったものではありません。mixiGREEmobageのように「Openfeintにアクセスする」というイメージはほとんどないはずです。「あ、このアプリはOpenfeint対応なんだな。アプリのメニュー画面からスコアを見にいってみよう」という感じです。


日本のモバイルSNSの場合、ユーザー間のコミュニケーションを可能とするソーシャルプラットフォームとしての面と、仮想通貨の決済などを行う課金プラットフォームとしての両方を備えているとすれば、Openfeintは前者のソーシャルプラットフォームそのものです。(ちなみにOpenfeintはtwitterFacebookアカウントと紐付けられるサービスであることも注目です)。


以上の点から現段階で約7500万ユーザー(Openfeint-GREE発表)を擁していることから、世界最大級のゲームによる「コミュニケーション」プラットフォームであることは間違いありません。


ちなみにOpenfeintに類似のサービスとしてappleの「GameCenter」のほか「Come2Play」「J2Play」などがあります。


apple Game Center 世界中と遊ぼう
http://www.apple.com/jp/ipodtouch/features/game-center.html
※公式サイト


このapple公式のサービスの登場で「Openfeintは大丈夫なの?」と心配されましたが

先行者優位があること(すでにOpenfeintはかなりのユーザー数を獲得していた)
・機能面ではOpenfeintが優れている面も多いこと
・Gamecenterはアップル製品限定(iPhoneiPod touchなど)であること
 (Openfeintはそのような縛りがない。Andoroid版もありクロスプラットフォーム化している)。


などの要因から、Openfeintはスマートフォンにおけるゲームプラットフォームの先頭ランナーとして注目され続けています。


[GDCOnline2010][iPhone Summit] Aurora Feint & Playfish
http://shimakiki.wordpress.com/2011/01/28/gdconline2010iphone-summit-aurora-feint-playfish/
※Aurora FeintのEros Resmini氏によるOpenfeintについてのコメント。「クロスプラットフォーム」志向につい


て強い意欲を示しています。

GameCenter Vs OpenFeint
http://www.spiritjb.org/2010/09/gamecenter-vs-openfeint-this-is-second.html
※「Interface」や「Social networking」など項目ごとにそれぞれの優位性が語られています。英文。


Come2PlayやOpenFeintがめざすソーシャルゲームプラットフォームの新世界
http://www.socialapplication.jp/2009/06/developer/566/
※必読記事。Openfeintと類似の他サービスについて記述。この分野の日本語記事は希少なのでとても助かる内容です。アメリカは早い時期からこのようなスマートフォン向けゲームプラットフォームが模索、注目されていたことが分かります。なぜそうなったかについて、後半で「これらは完全に新しいジャンルなのか?」と分析。アメリカにおけるオンラインゲーム、ゲームロビーアプリケーションについてのまとめが大変勉強になります。


3.ビジネスとしてはどうなの?

Openfeint社は2008年8月に設立された非常に若い会社です。
2010年12月期の業績は「売上高28万2500ドル、営業損失658万9000ドル」とのこと。

先に述べたとおり、Openfeintは「組み込み」で「コミュニケーション」を提供するサービスです。組み込む機能の開発用パッケージ(いわゆるSDK)は無料で公開されており、コミュニケーション機能の利用も無料なので、明確なビジネスモデルが出来ている、とは言いにくい面があります。(もちろん、ゲーム内課金や決済モデルがはっきりしている日本のSNS各社と比較して、ですが)。

この点についてはOpenfeint社自身も前提としており「新しいビジネスモデル」を志向しているようです。


iPhoneソーシャルゲームプラットフォームOpenFeintX登場
http://www.istpika.com/blog/1430/
※株式会社istpikaブログ。以下引用。


Facebookは巨大な市場を生み出しました。それはFacebookのゲームがバイラルテクノロジーにより簡単にユーザー同士に伝播する能力をもっていたからです。そして、その中のごく一部の人たちが現金でバーチャルグッズを買います(アイテム課金)。それによって大きな市場となったのです。もし、iPhoneでもそのやり方をコピーできるなら、多くのiPhoneゲーム会社も潤っていたでしょうが、現在そうなってはいません(儲かっているiPhone開発者はごく一部です)』


つまるところ、Facebookのように(そして「GREE」のように)プラットフォーム内課金モデルを構築したい、ということですね。印象的なのは『Aurola Feintの従来のプラットフォームであったOpenFeintは、iPhoneのためのXbox Live』という一文。つまりは『メイン機能があっての無料』サービス。次にOpenfeintが狙いたいのは『スマートフォンゲームにおけるFacebook』、むしろ『mobage』であり『GREE』なのでしょう。


個人的には、このユーザー数でもってGREEが注力しているスマートフォンアドネットワーク事業がどう活きてくるかにも注目しています。広告モデルは基本であり、スマートフォンにおける広告モデルには大きな可能性があります。


GREEスマートフォン向けアドネットワーク企業を買収
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1101/18/news082.html
※『グリーは1月18日、スマートフォン向けアドネットワーク事業を展開するベンチャー企業アトランティス(東京都千代田区)を買収し、同事業に参入すると発表』。買収金額はおよそ16億円だそうです。


アドネットワークとは(日経ネットマーケティング
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Keyword/20080411/298767/
※『アドサーバーを運営する事業者が、複数のメディアサイトと提携して広告を配信する。
広告主にとっては、一つのアドネットワークに発注すれば、傘下の多数のメディアサイトに広告を配信できるため手間が省ける』。簡単にいうと、広告配信を取りまとめて配信するサービスですね。いま、スマートフォンへの広告配信で注目されている分野です。広告主がGREEに依頼すれば、個別に配信を依頼しなくても一斉にアプリに配信してもらえる、というイメージ。

グリー、アトランティスのアドネットワークをGREEプラットフォームに提供開始
http://www.gamebusiness.jp/article.php?id=3240
グリー、開発パートナー向けアドネットワークサービス「GREE Ad Program」の提供を開始
http://www.gree.co.jp/news/press/2011/0224_02.html


現段階では膨大な売上を狙えるモデルがある、とはいえませんが、そうなる可能性はある、ということです。
GREEのノウハウでもって、7500万人のユーザーが有料課金に乗り出せば……、という想像は夢が膨らみます。

スマートフォンにおけるゲーム内課金は「グローバルでは日本ほど上手くいかない」と言われてきましたが、最近は海外のソーシャルゲームデベロッパーからも、以下のような報告もされています。


iPhoneゲーム,アイテム課金で売上が劇的に改善。ARPUFacebookの6倍,GREEレベルに
http://blogs.itmedia.co.jp/saito/2010/07/iphone-95ac.html
※「米国モバイル市場調査会社Flurryによる調査結果とiPhoneアプリデベロッパー数社のコメント」が主な内容。「課金売上単価が約10倍(1.49ドル→14.66ドル)」といったデータも。iPhoneゲームはその課金単価からするとFacebook(平均2.5ドル)より魅力的なプラットフォームになりつつある、という指摘。


少なくとも、一度そうなればOpenfeintにはそのユーザー数を背景とした爆発力があるわけです。
そのため、投資・出資の対象としても注目されており


インテルと中国のThe9、OpenFeintに出資
http://www.gamebusiness.jp/article.php?id=2304
※2010年10月の記事。『2社の出資額は800万ドル』とのこと。

そしてお馴染みDeNA


米国Aurora Feintとの資本業務提携に関する基本合意のお知らせ(株式会社ディー・エヌ・エー)
[http://blog.dena.ne.jp/press/archives/2009/10/aurora_feint.html:title=http://blog.dena.ne.jp/press/archives/2009/10/aurora_feint.html
]

このように2009年10月05日の段階で資本業務提携を行っていました。今回のプレスリリースの中でもOpenfeint
の大株主の中に、第2位として株式会社ディー・エヌ・エーの名前が登場しています。


当社子会社であるGREE International,Inc.によるOpenFeint,Inc.子会社化のお知らせ
http://eir.eol.co.jp/EIR/View.aspx?cat=tdnet&sid=878969
※『株式会社ディー・エヌ・エー (18.3%) The9 Limited (14.3%) Intel Capital Corporation (10.7%)』


この点、DeNAは2010年10月に米国ngmoco社を買収しており、同社のもつPlus+ネットワーク(現在はmobage)と資本提携先のOpenfeintとの事業領域の重なりが指摘されており、その動きが注目されていました。


米国ngmoco社の買収について〜世界No.1のソーシャルゲームプラットフォームの構築を加速〜
http://dena.jp/press/2010/10/ngmocono1.php

DeNA南場智子社長インタビュー翻訳(要約)
http://d.hatena.ne.jp/soechan129/20101016/1287231643
※Inside Social GameによるDeNA南場社長のインタビュー。
『Q:DeNAが20%の株式を持っているOpenFeintとPlus+ networkは競合するのでは?
 A:競合するかもしれない。※OpenFeintには長期で投資しているだけ(Passive Investor)だから、Plus+networkを戦略の中心に置く。つまり、西洋の市場ではPlus+ networkを展開していく』。


GREEのプレスリリース、IR資料を見る限り、今回はOpenfeintへのDeNAの出資額(約20%)は他の株主と同様、
GREEが現金で引き取る、という形になったようです。この辺りもどういう駆け引きがあったか気になりますがこちら2社の比較についてはまた別の機会にじっくりやってみたいと思います。


4.GREEとOpenfeintのこれから

GREEとOpenfeintのこれからについては、奇しくもDeNAの過去のプレスリリースが参考になりそうです。


米国Aurora Feintとの資本業務提携に関する基本合意のお知らせ(DeNA
http://blog.dena.ne.jp/press/archives/2009/10/aurora_feint.html


の中に、『Aurora Feintは、同分野のトッププレイヤーで、多数のゲームデベロッパーとコミュニティユーザを擁する「OpenFeint」に、DeNAが「モバゲータウン」で培ったコミュニティ運営やマネタイゼーションのノウハウを融合することにより、同事業を飛躍的に成長させる』という記述があります。


結果としてはその後、ngmoco社の買収、Plus+ネットワーク統合による『mobage』のグローバル化に動いた訳ですが、2009年の段階で、こういった戦略は提示されていました。


一方、それから2年以上が経った今、GREEはどう動くのか。


過去にGREEとTencentの提携の記事でも書いたのですが、GREEは非常に大きな構想をもっているように思います。短期的にはマネタイズ、ローカライズなどで苦労するかもしれませんが長期的にみれば、大きなプラットフォーム連合の盟主となる資格を有しているのではないでしょうか?


GREEソーシャルゲームアプリのイメージが強いのですが、その開発パートナーにはゲーム以外のプレイヤーも意外と多いことが知られています。


スマートフォン向け「GREE Platform」に171社がアプリを提供へ
http://www.gree.co.jp/news/press/2010/1217.html
※例えば出版や占いコンテンツなど。代表格として、以下の角川グループも。

角川グループとグリー、インターネットコンテンツ事業で業務提携
http://www.gree.co.jp/news/press/2011/0224_01.html



こうした幅広いコンテンツでもって、アジア圏に打って出るのも面白いかもしれません。GREEパートナーがもつ日本の漫画、アニメ、映像コンテンツなどはひとつの魅力となるでしょう。



SNS/海外戦略】mixiGREEDeNAの中国進出をまとめてみた
http://d.hatena.ne.jp/edy_choco_edy/20110126/1296051806

※自分の過去記事です。GREEのTencentとの提携について興味ある方はぜひ。



かつて上記記事のなかで
『うまくいけばGREEを軸に有力なSNSが繋がっていく「SNSプラットフォーム」化というのが、この先には見えてきそうです。ある意味、Facebook帝国に対するGREE共和国?』と書いたのですが、より現実味が出てきたように思っています。



GREEはその後、東南アジアを中心とするmig33との提携も発表しています。

グリー、「mig33」とスマホ向けプラットフォームの仕様共通化で合意
http://gamebiz.jp/?p=9428


これにより、GREE-Tencent、GREE-mig33、GREE-Openfeintという大きな連なりが見えてきます。
GREEを軸に、Tencentやmig33、更に今回Open Feintも加え『スマートフォンプラットフォームの仕様を共通化』していくというのは、面白い試みになりそうです。この『仕様の共通化』が何を指すかはおいおい見えてくるでしょうし、その内容によってインパクトも変わってくるでしょう。


同社はプレスリリースの中で以下のように述べています。


『グリーは、現在グローバル戦略の下、日本に加え海外で事業展開を進めています。今回の買収により、2,506万ユーザー(2011年3月末現在)が利用するソーシャル・ネットワーキング・サービスSNS)「GREE」と、スマートフォン向けゲームにコミュニティ機能を追加できるソーシャルゲームプラットフォーム「OpenFeint」で1億ユーザーを超える世界最大級のモバイル端末向けソーシャルプラットフォームを構築します』。


そもそも『モバイル端末向けソーシャルプラットプラットフォーム』とは何なのか。その答えが、これからの
GREEには求められてくるのではないでしょうか。


少なくとも私は。このような手本がない分野において、日本企業が世界をリードしている現状にとてもわくわくしています。


5.(おまけ)海外地域進出とグローバル進出という見方

今回の提携のニュースをみて、ふと思い出したことがありました。DeNASamsungとの提携です。


世界のサムスン電子製スマートフォンDeNAグループのソーシャルゲームプラットフォーム「mobage」を提供
http://dena.jp/press/2010/12/denamobagedena.php


DeNAGREEの2社はいずれもグローバル志向を掲げ、積極的な買収・提携を繰り返してきました。
『海外地域進出』と『グローバル進出』という切り口でみることが出来ると考えています。


(地域)北米のngmoco(Plus+)、中国の天下網⇔中国のTencent、東南アジアのmig33
※地域・言語圏に根付いたネットワークを買収、提携することでユーザーを獲得し、現地デベロッパーとの関係を深める戦略。


(グローバル)Samsung端末へのプリインストール提携⇔Openfeint買収
※グローバルに展開するネットワーク(サービス、プロダクト)と提携、または買収し、一挙にグローバルなユーザー獲得につなげる戦略。


この若干性質が異なる買収・提携の二段重ねが今後どのような結果をもたらすのか。非常に興味深いと思います。ある意味で、地に足をつけた地域進出と、飛び道具的に一気にグローバル化するグローバル進出では、どちらが効果的なのか。いずれ結果が見えてくると思いますが、その成果も踏まえ、この2社の戦略から学ぶところは多いのではないでしょうか。


なお、参考までにソーシャルゲーム・メディア分野で注目されているサイバーエージェントも先日、北米市場でのソーシャルゲームプラットフォーム『GameWave』を発表しています。


サイバーエージェントiPhone向けソーシャルゲームプラットフォームを今春提供 グローバル展開を推進
http://www.cyberagent.co.jp/news/press/2011/0228_1.html


JPモルガンサイバーエージェントの「GameWave」に関するレポートを発行
http://gamebiz.jp/?p=5975
JPモルガンによるレポート。『JPモルガン証券では、このプラットフォーム・モデルは、OpenFeint やScoreloopと類似するものと指摘している。また、同サービス開始に伴い、多額の投資コストは発生しないものと見ているようだ』とのこと。


こちらのプラットフォームは株式会社パンカクの『Pankia』を元にしており、これはOpen Feintに近い形式です。


株式会社パンカク
http://www.pankaku.co.jp/
PANKIA公式ページ
http://pankia.com/
※米国Appstore有料ランキング1位を獲得した『Light Bike』が有名ですね。Pankiaは『6634765人』のユーザーがいるとのこと。



今後ともGREEとその周辺のプレイヤーが繰り出す海外戦略からは目を離せない日々が続きそうです。
引き続き、キャッチアップしていきたいと思います。

(追記)


グリーの国際展開におけるOpenFeint社 買収の位置づけ
http://eir.eol.co.jp/EIR/View.aspx?template=ir_material&sid=8916&code=3632


GREEの戦略についての公式資料。やはりポイントは『世界最大級のユーザー数を有する「OpenFeint」に、国内/海外で開発した自社ソーシャルゲームを展開し、収益化を図る』という目標でしょう。『収益化/仮想通貨、仮想アイテムの販売管理システム成果報酬型広告』という部分が、業績にダイレクトに影響しますから、直近の目標はここでしょう。


(追記終)

      • -

 以上、今回のニュースをまとめてみました。なにぶん、浅学な学生のまとめたものですので抜け漏れ、誤りなどがあるかもしれません。ぜひご指摘いただければと思います。またリンク・引用させていただいた元記事の筆者の皆様に御礼申し上げます。引用についてはすべて出典を記しておりますが、何か問題あればお手数ですがご連絡いただければと思います。

 以下に自分のtwitterアカウントを記載しますので、叱咤激励、ご助言ご指摘などお待ちしております。

 twitterアカウント
 http://twitter.com/edy_choco_edy

 長文乱筆、ご容赦を。最後までご覧いただきありがとうございます。

(注記)なお、私は現在DeNAにてインターンをしておりますが、同社インターン等を通じて業務上知りえたことは一切ここには反映しておりません。全て一個人としての見解であり、内容の正確性については最大限努力しておりますが、現在進行形の事象であることからも保証することはできません。また、ここに記載されているリンクについてはご自身の判断でご利用ください。悪しからずご了承お願いいたします。

【学生生活】新入生に伝えときたいこと+α

twitterに投稿した内容に幾つかの補足をつけたものです。
補足部分は長ったらしいので、読み飛ばしても構いません。
新入生の皆さんにとって、いくらかでも参考になれば嬉しい限りです。


新入生に伝えときたいこと
「サークルの新歓花見で会った人」とアドレス交換してもまず無駄になる。忘れる。ほんとにその人と仲良くなりたいなら、必ず「じゃ、明日お昼いこうよ!」くらいの勢いで次の約束をすること。一緒に別のサークルの新歓行く、は色々集中できないのであまりオススメしない。

(補足)
アドレス帳にちょっと特徴いれたくらいじゃ無理です。忘れます。
今ならmixitwitterFacebookのアカウントを教えあうと大分違うかも。


新入生に伝えときたいこと。
サークル選びは(1)いつ行ってもそれなりに人がいる日常ホームコミュニティ、(2)それなりに拘束され、何かしらの努力が必要になるが得られるものは大きいコミュニティ、(3)他大学・社会人との交流があるコミュニティ、を上手くバランスとるのが吉。(3)は5月以降に探してもOK

(補足)
1.のようなコミュニティはまさに「ホーム」です。みんなでわいわいお昼食べたり、試験対策したり、旅行いったり。およそ大学生らしい生活面をカバーするイメージ。
2.は、例えば学園祭の実行委員会や何かの大会があるサークル・団体。1.と2.を兼ねるサークルは多いですが、人間関係や忙しくて辞めたくなった時に友達も失う、というリスクがあるのでよく考えることをオススメします。
3.は、アルバイト、インカレサークル、大規模学生団体、NPO法人ベンチャー企業でのインターンなどがあります。この辺りは4月の新歓期を外しても参加できるところが多いので、焦らずに、学生生活に慣れてきた5月あたりに検討してみれば良いでしょう。出来るだけ早いうちに社会人と多く会う経験をもつことはオススメしておきます。(ただ、胡散臭い社会人も世の中多いので、社会勉強に定評がある団体を探すことを推奨)。
一般論として、サークル選び=時間の投資。リスクとリターンをよく検討し、一サークルに入魂するのもありですがバランス良く投資するのも良い手です。


新入生に伝えときたいこと。
「隣の芝生をよく観察する」こと。サークルに入り、語学のクラス友達が出来ると、保守的になりがち。自由に社会を見聞するのは凄く大切。間違っても「サークル内の人間関係が全て!」とか思考停止しないように。面白いもの、ひと、ことを探す気持ちを、6月以降も忘れずに。


(補足)
大学・サークルに入って2か月もすると、学内・サークル内の人間関係も落ち着いてきて、そのコミュニティが心地好くなってきます。自然と、選択も保守的になってくるのが人の性です。飲みに行くのも「いつもの仲間と」が増えてきます。新歓期に比べると新しいコミュニティを開拓するのは大変そうに見えますが、常にアンテナをはっておけば、面白い情報は引っかかってきます。特に他サークル/団体にいった友人とは時々情報交換してみるといいですね。面白い選択(演劇、ビジネス、NPO……)をした友人が複数人いるだけで、視野はぐっと広くなります。「大学生活、楽しい!」と喜ぶのはいいですが、思考停止しない方が、もっと楽しいかもしれません。


新入生に伝えときたいこと。
“凄い人”も人間だということを忘れないこと。ちらほら名前を聞くような、同世代で目立ってる人たち。彼らも人間です。悩みもすれば、煩悩もあり、失敗することだってあります。噂話をしたり、嫉妬して影口いうよりは、友達になったり、自分も地道に頑張る方が生産的です。

(補足)
最近はtwitterなどで「凄い人」がよく見聞きできるようになりました。他にもサークル内「あいつはもう次期幹事長だよな」といった話題や「○○大の××君しってる?」といった話が出てくるでしょう。そう言うときあんまり面白くなく感じるのも人の性です。ただ、ひとつ断言できるのは、そういった人たちを妬むのは勿体ないということ。「凄い」「面白い」と言われる人は、そう言われるだけの何かをもっていて、そのために何かしら努力をしています。もちろん、悩みもあるし、案外友達がいなくて寂しがってたりするかもしれません。
人を「凄い」というフィルターで見ずに、等身大の同世代としてみる「心の余裕」は自分のためにも大事です。大丈夫、もしあなたが人よりも努力していれば、知ってくれる人は知ってくれるし、見てくれる人は見てくれます。ただ、それには地道な頑張りは欠かせません。小手先のテクニック、仰々しいプロフィールで有名になっても、苦しむのは自分。ちょっと厳しいところですが、“凄い人”志向の人は、“凄い(努力する)人”になるほうが身のためです。


新入生に伝えときたいこと。
自分のなかに“無理なく”伝えられることをもつこと。代表、○○長、学生起業家…… 魅力的な肩書に見えるかもしれませんが実体がなければ無意味です。むしろ自分が心から楽しいと思えて、かつ他人から興味を持って貰えるようなことを探すこと。その努力は惜しまないこと。

(補足)
“無理なく”が大事です。形から入っても、分不相応な肩書で苦労する人をたくさんみてきました。
自分が好きで、しっかりその対象に向けて努力できるものを見つけることを意識してください。その上で大切なのは“自己満足”で終わらないこと。他人から興味をもって貰えて、しっかり説明できるものを身につけていれば、例えば就職活動でもそうそう苦労しません。
イメージとしては、何かしらのゴールを設定し、達成すること。写真なら個展を開催すること、本が好きなら出版やデザインのコンテストに挑戦してみること、人が好きなら……、と、人に語れるゴールに向けて進むことは、あなたの努力を有価値にします。(もちろん、達成できなくてもOKです。達成するつもりで本気で頑張ったならば。例えば野口英世は黄熱病の原因を発見できませんでしたが、その努力は語り継がれています)。
ちなみに、自分はソーシャルゲームの企画・運営が堪らなく好きで、余暇にもその記事を書いたり勉強会に参加したりしています。自分の中でソーシャルゲームについては書きたくて、伝えたくて堪らないことが溢れてくるので、全く苦ではありません。また、そういった興味関心が移り変わることも多々あります。焦らず、探してみてください。大学の授業、大学図書館の地下書庫、地元の公民館の掲示物。思わぬところに出会いがあるかもしれません。


新入生に伝えときたいこと。
やっぱり“バカ”は駄目。頭が良ければいいとはいいません。でも“バカだ”と侮られるのは凄く勿体ないです。専攻領域の知識、一般常識、ロジカルに物事を考え伝える能力を身につけるため、必要最低限励みましょう。好きな事との両立は可能。言い訳にしないこと。

(補足)
大学に入学した皆さんなので、高校までの勉強はある程度出来ると思います。(忘れないでください。皆さんは“大学”に入ったのです)。指定校や付属校出身の人は学力にコンプレックスがあるかもしれませんが、心配しないで下さい。大学入学後の努力/怠惰で、その程度の学力はいくらでも挽回/返上されます。
むしろ、“大学生としての勉強”が出来るかは、大きな分かれ道になります。単位が足りず卒業に困ることは悪いことだとは言いませんが、困らないで済むなら困らない方がよいです。
もうひとつ“バカ”だと思われるのはかなり残念なことになります。大学の専攻について一切語れない、世間のニュースの話題についていけない、専門的な文章を読むのが苦手……。社会に出る以前に、大学でのコミュニティにおいても苦労することになります。ゼミで一緒に発表をする、サークルで旅行の計画を立てる、グループでビジネスコンテストに出場する。色んな場面で、あなたの貢献度≒頭の回転が求められます。
いま不安に思っているひと、ビビらないでいいです。それでも、努力することを怠らないで下さい。新聞を読む、新書を読む、教授にたくさん質問をする、分からなければ調べる、予習復習をする……。出来ることはたくさんあります。
また、自分の専攻分野を職業としている人をTwitterでフォローしたり、ブログを定期的にチェックしてみると将来的に身につけるべき力、知識、情報収集の手段が見えてきます。自分の場合は法学部でしたので、ビジネス関係に強い弁護士の方、企業の法務部に勤めている方のツイートを追うようにしていました。その人たちの興味関心のあるニュースを読むだけでも随分違います。


新入生に伝えときたいこと。
「声をかけることを恐れないこと」。ちょっと気になる奴に声をかけて一生ものの友達、気になる子に声をかけて付き合い始める、尊敬する教授に声をかけてゼミに招待、気になる社長に声をかけて就職。例はいくらでもあります。大丈夫、変な顔をされても死にはしません!

(補足)
ちなみに自分は、とある新入生とたまたまmixiで意気投合し昼食にいき、そこで彼の高校時代の友人を紹介されました。その後、その男とは妙に気が合い、授業もほとんど一緒に受け、時には歩いて山手線を一周し、数えるだけで10以上旅行に行きました。思えば、最初にmixiで新入生仲間にメッセージを送らなければ、この出会いも無かったことを思うと、縁というのは面白いものです。
よほどスパムや迷惑なナンパのようなことをしない限り、また最低限の節度やマナーをわきまえれば、せいぜいが断られる程度のことです。とても恥ずかしいかもしれませんが、後々後悔するよりは、一歩踏み出してみてください。
ちなみに、自分もこういうのは凄く苦手で、今でも見知らぬ人と話すのはかなり緊張するたちです。ただ、慣れれば慣れるほど、1回2回の失敗は気にならなくなります。なぜなら、勇気を出して面白くなったことの方がよほど多いから、です。まずは、友達の友達と話してみるところあたりから、頑張ってみて下さい!


新入生に伝えときたいこと。
偉そうに連投してみました。乱文ご容赦を。自分も多くの先輩方にアドバイスを頂きましたが、今になってその有り難みが分かったりする昨今です。新入生の皆さん、大学という場所、大学生という期間、社会を縦横無尽して、めいっぱい楽しんでくださいね! Be brave!

(補足)
偉そうに書きましたが、多くは今の自分が「もっとこうしておけばよかった!」と思うことばかりです。もし、このアドバイスを忠実に実行したら、3年後には、この文章の10倍20倍よい助言集を書けるはずです。(少なくとも、今の自分よりは素晴らしい4年生になっているはず!)
そのときは、ぜひそのときの新入生に、こうしてアドバイスを送ってあげて下さいね。

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今の時期、なかなか思うとおりいかず、焦る気持ちもあると思いますが、案外、なんとかなります。
楽しむ気持ち、チャレンジする気持ちをなくさないように。いまが踏ん張りどころです!
頑張って、いっぱい楽しんで下さい!


もし何か不安なことがあって、手近に先輩がいなければ、自分でよければ話聞きます。
お気軽に @edy_choco_edy までどうぞ。

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今は、道なき道を国も個人も見つけていかなければならない時代になりました。
模倣ではもうダメなのです。
「質問する力」(大前研一

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この不確実な時代に、皆さんと大学生が出来ることを嬉しく思います。
先輩も後輩も関係なく、世の中に何事かを与える人になりたいですね。


では。


@edy_choco_edy

【中の人】@edy_choco_edyの個人blog記事が、公開から12時間でTechwaveに掲載された訳

 先日のエントリ「【SNS/海外戦略】mixi、GREE、DeNAの中国進出をまとめてみた」をTechwaveの方にも寄稿させていただきました。


 mixiGREEDeNAの中国進出のまとめ
 http://techwave.jp/archives/51581381.html


 ほんの一晩でここまで物事が進むというのも、本当に面白いですね。
 たくさんの方にご覧頂けたようでとても嬉しいです。


 事の発端は、blog記事をtwitterにて紹介したところ フォロワーの方から「湯川さんのとこ(Techwave)に寄稿してみたら?」というリプライを頂いたことです。ちなみに、これが午前0時ちょっと前くらい。
 (@M_YAMASHI さん、本当にありがとうございました)。


 元々、Techwaveの湯川さんの記事に触発された部分もあったので、御礼のつもりで湯川さんのtwitterアカウントにブログのURLを載せてご連絡したところ、翌朝、湯川さんより「寄稿しません? メールください」というお話に。早速、湯川さんに御礼をかねてメールしました。(ちなみに、これが今朝の8時30分頃)。


 その後、試験(おなじみ「海商法」)前に湯川さんから返信をいただき、11時30分頃に写真、プロフィールをお送りしました。そして本日(1/27)の12時すぎ、Techwaveにて公開された、という運びです。


 つまり、このblogで元記事を公開してから、時間にして12時間ちょっと。


 ……これもtwitterやblogならではのスピード感ですね。

 
 初めての記事がこうして多くの方の目に触れるようなったのは嬉しい限りで、反面、まだまだ磨くべき点や勉強しなければならない点が見えてきました。その意味で、非常に良い機会を頂けたと思います。改めて、フォロワーの皆さん、Techwaveの皆さんに感謝です。


 今後とも、自学を兼ねて、分からないこと、知らないことに貪欲に挑戦していきたいです。
 目標は「自分の中に面白いコンテンツを持つこと」、または「自分自身は面白いコンテンツになること」。
 かなり大きな目標ですが、一歩一歩、千里の道を歩くつもりで頑張っていきたいと思います。

 
 なお、今後書こうと思っている話題として
 
 ・いま「Facebook就活」を考える/ なぜLinkedinはFacebookと共存できそうなのか?
 ・君は「ソーシャルゲーム」を知っているか / Zyngaって何が凄いの?
 ・「欲しい人がいるから、創れる」Social productsのお話 /「quikrky」http://www.quirky.com/  


 あたりを考えています。
 何かリクエストがあれば積極的に考えていきたいと思うのでお気軽に。


 twitterではたくさんの応援ありがとうございました。
 今後とも、よろしくお願いします。


 ……ちなみに、ずっとデフォルトアイコンを貫いてきたのに、思わぬところで顔写真を公開することに。
 「妙な親近感を感じる」(@yu_kidさん)とのコメント、ちょっとほっとしました(笑)


 重ねて、今後ともよろしくお願いします。
 明日の4限、独禁法特論が終われば、3年次の試験はすべて終了です。
 充実した春休みを迎えるため、今夜はもうひと頑張りしようと思います。


 では、またそのうちに。


 @edy_choco_edy

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(追伸)
 Techwaveさんは大学生の寄稿を募集しています。
 今回のことで興味をもった方、ぜひ以下のページをご覧になってみてください。
 

 大学生からの寄稿を募集します【湯川】
  http://techwave.jp/archives/51526254.html

【SNS/海外戦略】mixi、GREE、DeNAの中国進出をまとめてみた


 本日(1/26)、GREEが中国のネット企業Tencentとの提携を発表しました。

 グリー、中国最大のインターネットサービス企業Tencentと業務提携
 http://www.gree.co.jp/news/press/2011/0126.html

 発表直後からtwitterでも話題になっており、同社の海外戦略への注目度の高さが見て取れるところです。
 以下、自学のため今回のGREEの提携を中心に、日本の三大SNSmixiGREE、モバゲー(DeNA)の中国進出についてまとめてみました。長文乱筆恐れ入りますが、興味ある方はぜひ。

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 今回、GREEの提携先として登場しているTencent社、日本ではあまり知名度がなく、いまいちピンとこない方も多いかもしれません。(もちろん、登録ユーザー数は6億4000万弱、アクティブユーザー数は4億人前後だ、と言われれば規模感には驚くと思いますが)。同社の中国での知名度は非常に高く、日本ではweb業界の関係者よりも中国株投資家の間で「成長株」としてよく知られていました。


 同社について詳しく知りたい方は、以下の記事がわかりやすくオススメです。

 
 シリコンバレー企業がTencentについて知っておくべきこと
 http://jp.techcrunch.com/archives/20100620what-valley-companies-should-know-about-tencent/
 ※概論としてよくまとまっています。

 テンセント=ビジネスモデル変貌中?
 http://blog.livedoor.jp/kobin0822/archives/51584262.html
 ※売上分析、ビジネスモデル、競合など、非常に充実した分析。参考になります。


 もともと同社は「QQ」という名前のインスタントメッセンジャーサービスで拡大し、そのユーザーに他サービスを提供することで拡大してきました。QQの登録ユーザー数は6億4000万人弱。派生サービスとして、ポータルサイトSNS、オンラインゲームを運営しています。そして、近年同社の有力な収益源として挙げられるのがアバターやバーチャルアイテム、そしてオンラインゲームからの収益です。もともとポータルの広告収益などでも成功していたところ、あるいはその高い利益率(Tencent社の最近の値は約70%前後)を踏まえるとGREEとのビジネス面での方向性は似通っている印象があります。


 興味深いのは、その戦略も非常によく似ている、という点です。GREEとTencent社の重要な共通点、それは「オープンプラットフォーム戦略の体現者」ということでしょう。GREEもTencent社も、自社の内製コンテンツにこだわりをもってはいましたが、いずれもその門戸を開放することで、プラットフォーマーとして更なる成長をとげています。


 プレスリリースによれば両社今後は互いのSmartphone向けプラットフォームの仕様を共通化し、ひとつのコンテンツを両プラットフォームに展開できるようにする、とのこと。基本的には、Smartphone自体を見据えてのコンテンツ充実、外部パートナー(GREEにソーシャルアプリ・ゲームを提供するデベロッパー)の惹きつけ、というポイントがありそうです。やはり、Tencent社のもつ膨大なユーザー数は、外部パートナーにとっても魅力的であり、この共通プラットフォームに参加することは有力な選択肢となるでしょう。


 なお、GREEのプレスリリースでも触れられているとおり、2010年11月、東アジア中心に4000万ユーザーをもつSNS「mig33」にも出資をしており、おそらくこちらとも同様の提携を進めていくのでは、と見られています。


 [jp]グリーがシンガポールに拠点を置く携帯SNSのmig33に出資――初の海外投資案件に
 http://jp.techcrunch.com/archives/jp20101101gree-invest-in-singapore-based-mobile-sns-mig33/


 最近、米国子会社進出の話題もあったGREE
 今回のTencentとの提携で、アジア圏では大きな存在感を示した、と言えそうです。
 というより、中国進出においてこれ以上のカードはそう無いのでは? とも。

 
 個人的には、北米・欧州市場でも同様の提携を目指すのか、あるいは引き続きアジア圏に注力するのか、が気になるポイントです。日本国内での展開もかなり手堅い同社、こうした提携を更に拡大していく、というのもありそう。うまくいけばGREEを軸に有力なSNSが繋がっていく「SNSプラットフォーム」化というのが、この先には見えてきそうです。ある意味、Facebook帝国に対するGREE共和国?

 と、やや話を広げすぎましたが、いずれにしても、2011年はGREEにとって海外進出本格化の年になりそうですね。注目。

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 さて、以上のようなGREE・Tencentの提携を踏まえ、日本の同業他社の中国進出についても触れておきたいと思います。


 まずmixiについて。
 以下の記事の最後で触れられているように、mixiは中国進出ではGREEに先行しており、2010年9月に中国大手SNS「Renren」(http://renren.com/)を運営するOak Pacific Interactive社との提携を発表しています。


 グリーが中国ネット最大手Tencentと提携【湯川】
 http://techwave.jp/archives/51580331.html#more
 ※記事末尾のmixi-Renren提携への言及あり。湯川さんのコメント、いつも大変勉強になります。


 興味深いのは、mixiが最大手Tencentではなく、Renrenを選んだ、とされる理由。上記の記事によれば


 ・Tencentはネット企業としては最大手だが、必ずしもSNSで強いわけではないこと
 ・TencentのSNSはいわゆる「自由参加のコミュニティ型」であること
 ・大都市圏ではRenrenの方が普及していること


 という3つが挙げられています。こちらの詳細はともかく、mixiはRenrenを選んだ訳です。なお、Renrenはmixiのプレスリリースによれば1億5千万ユーザーを抱えている、とのこと。仮にこちらがmixiの重視する「良いソーシャルグラフ」を形成いているとすれば、やはり魅力的なプラットフォームです。


 「Cyworld」「Renren」「mixi」でパートナー向けのより大きな市場の形成を目指して
 http://mixi.co.jp/press/2010/0910/3751


 なお、こちらの提携も「ソーシャルアプリのプラットフォームの共通化を進め、ソーシャルアプリケーション プロバイダー(SAP)が容易に(複数の)プラットフォーム上で事業展開できる仕組み」。mixiの場合、同様の提携を韓国最大手のSNSCyworld」やドイツの「Vznet」(ファーツトネット)とも結んでいますから、SNS各社の提携戦略としてもはや定石化しているといってもいいでしょう。


 こうしてみると、mixiは中国・韓国・ドイツと非英語圏に強い印象があります。これは意図的なものでしょうか?
 Facebook日本進出を踏まえ、同社がどのような海外展開を進めていくかは興味深いです。mixiは今のところ、この大きなプラットフォームにおいて純然たる「ソーシャルネットワーキングサービス」の提供者であることを自負しているように見えます。そのため、内製ゲームなどは出していない状態です。mixiにはZynga社の超有名タイトルFarmVilleの日本(語)版が提供されています。この点から、Facebookに近い「リアルな友人同士」が楽しめるゲームやアプリ、あるいは「良いソーシャルグラフ」を活かした広告、キャンペーンなどに特化していくのではないか、と考えています。
 根強いファンが多いmixiなだけに、独自色をどう活かしていくか、注目です。

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 さて、最後はモバゲーを運営するDeNAについてです。
 同社は若干毛色が異なり、2010年7月に中国の携帯SNS「天下網」を買収、子会社化しています。


 Breaking: DeNA, Japanese Leading Mobile Social Networks Buying Chinese Tianxia 
 http://www.mobinode.com/2009/07/03/dena-buys-tianxia/


 実は、DeNAは2006年11月に独自に中国に子会社を設立、2007年2月には携帯SNS「加加城」というサービスを展開していました。


 DeNA北京、中国におけるサービスの提供を開始〜携帯電話専用無料SNSサイト「加加城」を開設〜
 http://dena.jp/press/2007/02/denasns-1.php


 しかし、以下の記事で触れられているように、「加加城」のユーザー数は数十万規模にとどまり、単独拡大から「天下網」買収による拡大に方針転換した、とみることが出来そうです。


 DeNA、中国へ本格進出、巨大市場攻略の勝算(1)
 http://www.toyokeizai.net/business/strategy/detail/AC/4eba90ded708f05eff86d407a01a6f30/page/1/
 ※買収への経緯、当時の状況などがわかりやすいです。


 DeNAは米国ngmoco:)買収などから「海外進出=買収」のイメージが強いのですが、こうした2段構え、3段構えのパターンが多いです。(米国でも同様に、独自進出→数社の資本業務提携→キープレイヤー買収、という流れ)。


 なお、「天下網」のユーザー数は買収発表段階では900万人、現在は1800万人程度。上記2社に比べるとかなり小規模です。これは、同サービスがモバイルSNSであることが大きいかもしれません。中国では3Gサービスが2009年に本格化、携帯でのインターネット利用は成長中、といったところです。


 中国3G携帯の普及による携帯インターネット市場
 http://adv.asahi.com/modules/overseas_marketing/index.php/content0006.html
 ※中国における携帯ネット人口の増加などのデータ多し。


 なおDeNAの中国戦略については、先日このような報道がされていました。


 Japanese Mobile Phone Gaming Platform To Enter China Next Month
 http://www.chinatechnews.com/2011/01/18/12993-japanese-mobile-phone-gaming-platform-to-enter-china-next-month
 ※mobageプラットフォームとしての参入についてを報じている

 Leading Japanese Mobile Social Games Platform, DeNA, Plans its First Move into Chinese Market
 http://www.digitaleastasia.com/2011/01/24/leading-japanese-mobile-social-games-platform-dena-plans-its-first-move-into-chinese-market/
 ※DeNAmobageについての解説記事。平易で分かりやすい。


 端的にいうと、DeNAのもつ「Mobage Open Platform」(米ngmoco:)のPlus+を改称、日本のモバゲータウンと統合した世界ブランドの名称)に、近々、中国の外部デベロッパーがアプリを公開できるようにする、というWang Yong氏/CEO, DeNA China Technology Companyのコメントが紹介されています。


 これは視点としては中国側の外部デベロッパーに朗報かもしれません。「mobage」は、Plus+ network/米ngmoco:)に登録する北米のiPhoneユーザー1750万、あるいは日本のモバゲータウンの携帯ユーザー2000万に対してゲームを公開できる(かもしれない)という話題だからです。(規模感では中国が圧倒的ですが、端的に売上や1ユーザーあたりの課金額を考えると、北米/日本市場はかなり魅力的かも)。


 「mobage」は(日本市場以外の)SamsungAndroid端末への搭載も予定されているため、中国でのSmartphoneユーザーの拡大も追い風になるかもしれません。


 なお、ngmoco:)やPlus+については以下をどうぞ。

 「モバゲー」スマートフォン版公開 Samsungと協力して海外展開も
 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1012/15/news107.html
 ※DeNAの国際戦略、「mobage」について詳しい記事です。

 update:ディー・エヌ・エーのngmocoの買収は本当だった――買収額は最大で4.03億ドル
 http://jp.techcrunch.com/archives/20101012dena-acquires-ngmoco/
 ※DeNA米子会社ngmoco:)とその買収、Plus+について分かりやすく紹介されています。))


 DeNAの場合、自前のプラットフォーム拡大が海外戦略の軸になっています。海外の大規模SNSとの提携を主とするmixiGREEとは若干異なるのは、企業として戦略からでしょうか?
 今後は買収したネットワーク同士の統合やSamsungとの提携での端末搭載の成果がどう出てくるか、がポイントとなりそうです。

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(追記)

 先ほど、DeNAGREEの中国進出を比較した記事を見つけました。
 こちらも分かりやすくまとまっていたのでご紹介を。

グリーのTencentとの業務提携にみる、グリーとDeNAの中国戦略の比較
 http://am6.jp/fpKab7
 
 2社の中国での活動スタイル、特に投資や業務提携の形からGREE-TencentとDeNA-天下網の組み合わせではGREEが一歩先を行っている、との分析。投資家目線からの整理が大変分かりやすいです。

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 以上、日本のSNS3社の中国戦略をまとめてみました。なにぶん、浅学な学生のまとめたものですので抜け漏れ、誤りなどがあるかもしれません。ぜひご指摘いただければと思います。以下にtwitterアカウントを記載しますので、叱咤激励、ご助言ご指摘などお待ちしております。


 twitterアカウント
 http://twitter.com/edy_choco_edy

 長文乱筆、ご容赦を。最後までご覧いただきありがとうございます。
 
 @edy_choco_edy

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(注記)なお、私は現在DeNAにてインターンをしておりますが、同社インターン等を通じて業務上知りえたことは一切こちらのブログには反映しておりません。全て一個人としての見解であり、内容の正確性については最大限努力しておりますが、保証することはできません。また、本ブログに記載されているリンクについてはご自身の判断でご利用ください。悪しからずご了承お願いいたします。